新春浅草歌舞伎2019 公演2日目感想 番町皿屋敷
自分の記録用に。番町皿屋敷公演2日目の感想。
初日の時は初めて観る作品だったので、余裕がありませんでした。2回目、初日よりは余裕を持って、観劇することができました。
今日も播磨を中心に観劇したのですが、今日もまたすごかった。
第一場の「おばさまは 苦手じゃ」に播磨の今までが詰まっているような。この一言に播磨の色男ぶりを感じます。なぜかはわからないけど。劇場を包み込むような男前感が印象的でした。
第ニ場。わざと割ったと知る前はやっぱり優しい。お菊を愛してる播磨はとても優しい、そしてお菊を見つめる播磨の目が優しすぎて。色男だよモテるよこの人。
十太夫からわざと割ったと知らされても、粗相をしたというお菊を信じる播磨。お菊を信じる播磨がとても切ない。お菊から真実を聞くまで、お菊を信じ続ける播磨がとても印象的だった。何も疑ってなかった播磨。本当にお菊のことを信じていたのだろうなあ。信じてたが故に、播磨の心を試すために家宝の皿を割ったとお菊の口から聞いた播磨の怒り、悲しみは深かった。
「私の疑いは晴れました」と言うお菊に対して「そちの疑いは晴れても〜〜」のくだりがとても気持ちがよかった。
播磨がお皿を割る場面。鬼気迫っていた。すごかった。割ったら手討ちの家宝の皿を割ってまでして、自分の心を試された播磨の悲しさ、怒り。この場面に詰め込まれている。昨日から更に進化してた。感情がすごい。
お菊を手討ちにしてからがまたみどころ。お菊の死骸を井戸に入れ、井戸の中を見る場面。怒り、悲しみ、切なさ、やるせなさ、全てを含んだ目だった。そして、井戸の中を見て、目をそらし、目を瞑って首を振る。その仕草が、無理やりお菊への想いを断ち切っているように見えて、とても切なかった。お菊への未練を断ち切って、終わりのない闇に突っ込んでいく播磨の姿が見えた。
2回目の番町皿屋敷は闇に突っ込むの上手な隼人さんを感じることができました!
本当はお菊を中心に観ていきたいとも思うのですが、どうしても播磨ばっかり追ってしまう!
播磨の包み込むような優しさ、自由さ、一度決めたことはやり通す頑固さ(?)という播磨の人柄が一貫されていて、播磨という人物がどんな人なのかとてもわかりやすい。だから芝居に説得力があるのだろうなと。そういうところが隼人さんの芝居の好きなところです。
また明日。更に進化した番町皿屋敷を観るのが楽しみです。