2022年7月27日 私の頭の中の消しゴム

 

令和四年 七月 国立劇場歌舞伎鑑賞教室「紅葉狩」

 

令和四年 大阪松竹座 七月大歌舞伎 堀川波の鼓

 

松竹座はテーマパークでした~令和四年 大阪松竹座 七月大歌舞伎 昼の部~

余韻がさめないうちに、記憶が濃いうちに、感想を起こしておかないと…

この感想を読んで、数年後の自分が喜びます^ ^

 

七月大歌舞伎|大阪松竹座|歌舞伎美人

 

まるでテーマパークでした(≧∇≦)

 

 

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近松門左衛門
一、八重桐廓噺(やえぎりくるわばなし)
嫗山姥
 
荻野屋八重桐:孝太郎
白菊:壱太郎
太田十郎:虎之介
沢瀉姫:千之助
腰元お歌:亀鶴
煙草屋源七実は坂田蔵人時行:幸四郎

 

あらすじ

八重桐(孝太郎)は元傾城。八重桐は夫を探すために国中を歩き回っている。そんなとき、通りかかったお屋敷の中から、かつて夫と作った替え歌が聞こえてきて…気になる八重桐はお屋敷の外で「手紙の代筆をしますよ〜」という売り文句を使い、お屋敷への潜入を成功させる。そこにいたのは……まさかまさか煙草屋姿の夫(幸四郎)であった……。

そんなこんな(省略)で死んだ夫の魂が八重桐の体内に宿り……ものすごい怪力を得た八重桐はお屋敷の姫を奪いにした3枚目のヤツ(虎之介)をぶっとばす。花四天とものすごい力を得た八重桐の華やかな立ち回り。この後、八重桐は山にこもって山姥となり、金太郎を育てる……という物語。

 

 

まあ………物語はトンチキである。

 

孝太郎さん女方はかわいらしいのよ…色気と愛嬌を兼ね備えたハイブリッド女方さんである。

館に入る前に、切り株みたいな椅子に腰掛けて帽子みたいなので扇ぐ姿とか髪の毛を整える姿だとかがとてもかわいらしかった。

山姥の姿がそれと対照的でかっこよさ増し増しだったなあ…

女方さんの鬼に化ける瞬間とか人間じゃないものになる瞬間の肩のあたりの使い方が好きです。

人外なんですよねえ…(褒めてる)

幸四郎さんの魂が宿ってからは男以上に男らしくて惚れてしまう。ぶっかえりで一瞬で姿の変わるその瞬間のかっこいいこと…

3階席左列から観ると、黒衣さんが後ろで糸を抜く裏側の姿が観られてお得な気分になった!

 

そして幸四郎さん。

場面変わり、お屋敷の中の場面になったときの幸四郎さんの煙草屋さんの横顔が美しすぎるのである。妻にバレてしまい気まずい煙草屋さんの顔を隠す仕草さえも美しすぎるのである。

そして頭の帽子を取って出てきたときにテロテロ揺れるシケ…美しすぎる…( ˘ω˘ )…♡

あのテロテロ揺れるシケって反則だよね…( ˘ω˘ )

この演目では幸四郎さんを観て、「美しいなあ…」としか思っていなかった。とにかく幸四郎さんはカッコいい。(面食い)

 

壱太郎さん。

壱太郎さんの白菊ーーーー!!!!!

黒いお着物の時点で大勝利なのにめちゃくちゃ強くてさらに大勝利だった。

花四天がたくさんかかってくるところの義太夫「白菊ふっと笑って〜」みたいなところのフッって笑う白菊さんがかっこよすぎて惚れてしまう。

壱太郎さんの強い女はかっこいい。

 

千之助さんの赤姫もめちゃくちゃかわいかった。

完全に女の子だった。

 

最後の立ち回りは花四天のトンボ祭りでめちゃくちゃ楽しかった!

 

井上ひさし 作「手鎖心中」より
小幡欣治 脚本・演出
大場正昭 演出
二、浮かれ心中(うかれしんじゅう)
中村勘九郎ちゅう乗り相勤め申し候
 
栄次郎:勘九郎
おすず/三浦屋帚木:七之助
太助:幸四郎
大工清六:隼人
真間屋東兵衛:松之助
佐野準之助:亀鶴
番頭吾平:扇雀
伊勢屋太右衛門:鴈治郎

 

あらすじ

戯作者として有名になりたい栄次郎(勘九郎)は名前をあげるためにあれやこれやしている。

今回も親に勘当を願い出て、長屋のおすずと結婚するという茶番をしている。しかし、なかなか絵草紙の評判はあがらず、吉原の花魁帚木の身請けをしたり、幕府に立てつき手鎖の刑を受けたりしている。次は手鎖をして心中をしようと企むが…

 

 

勘九郎さん。

あんなボンが周りにいたら、イラついてたまらないであろう。けど愛されちゃうのが勘九郎さんの栄次郎さんなんだなあ…

手鎖をつけてもらって喜んで帰ってくる栄次郎さんは指ハートを飛ばしていた♡

 

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あそこはジャニーズのライブ会場のようであった…

 

七之助さん。

婚礼の場面の七之助さんの美しさ…

顔が見えた瞬間、舞台がパッと明るくなるような華を持っていらっしゃる。思わず「ハァッ…!」って声が出ちゃう。

そして七之助さんの花魁はさすがです。

顔がきれいなんだよなあ…そして衣装に負けない。

魁道中の七之助さん、タスケさんにフッと笑うその表情がたまらない〜!

そして隼人さんの清六に対して「清さんッ(小声)」そりゃあ男も惚れるわけよ、納得よ。

身請けされてからは低めの声に下ろした髪の毛、しっとりとした色気が舞台全体に広がっていました。

 

隼人さん。

 

私この役、大好き!!!!!!!!

隼人さんってつっころばしがお得意だし、お似合いだと思ってるんですけど、私はつっころばしよりも江戸っ子だったり、男らしいお役も似合うと思うんだ…!

浮かれ心中初見のとき、最後の怒涛の展開を観て、大工清六がいいお役すぎてチケットを追加したほど( ˘ω˘ )

清さんだけ、この浮かれ心中の世界から浮いてるんですよね……清さんだけ、どこか異世界から迷い込んできたみたいになってるんですよね…

それくらい清さん以外の登場人物が全員トンチキ野郎でトンチキなんですよね(語彙)

そのトンチキの世界を一瞬でガラッとかえ、物語を締める隼人さんの清さん、最高だった。

江戸っ子、似合うなあ…もっと観たいです、江戸っ子。

 

この浮かれ心中、最初から最後まで全員がトンチキ野郎なのでとにかく普通じゃ考えつかないことを栄次郎さんが考えるんです。そしてとてもおめでたい人間しか出てこない物語なので、とてもハッピーな気分になる。けど、最後に「茶番は本気には勝てないんだな。」でホロリとするという。

 

ちゅう乗りすればみんなハッピーですよね!

あの瞬間は劇場が某テーマパークになってました!!!

 

昼の部は歌舞伎の様式美を見て、リラックスしてゲラゲラ笑ってと、とてもバランスが取れた演目だったんじゃないかなーって思ったー!

 

 

松本幸四郎はかっこいい!

中村屋は魂が騒ぐ!

中村隼人は江戸っ子が似合う!

 

大阪松竹座、七月大歌舞伎の昼の部

とっっっっても楽しかったですーーー!

久々に「あーーーー芝居を観たなあ」って感じた!

 

お芝居ってやっぱり楽しいねーーーーー!

また夜の部の感想もあげます^ ^

 

 

"歌舞伎"っておもしろい!〜ジャニオタに歌舞伎をおすすめします〜

さて、令和という新しい時代になりました。

私の平成最後の出来事は、"歌舞伎"にハマったことです。キッカケは顔。中村隼人さんの顔がかっこよかった(単純)。

最初は役者さんの顔から入りましたが、"歌舞伎"はおもしろい!

"歌舞伎"を観たことのない方、また、"歌舞伎"を観たことはあるけどつまらなかった〜なんて感想をもった方に"歌舞伎"をおすすめします!

 

特に普段ジャニーズ事務所のタレントさんを応援している通称ジャニオタのみなさん!!!!ジャニオタの方々は"歌舞伎"の世界の中で絶対何か刺さるものがあるはず!!!!

 

今回の記事では、ジャニオタのみなさんに"歌舞伎"をおすすめします!!!

 

 

"歌舞伎"のおすすめポイント①

物語がトンチキ

 

とにかくトンチキ。ほら、ジャニオタのみなさん、トンチキ舞台大好きでしょ?

トンチキを受け入れることのできる広い心を持っているジャニオタのみなさんは"歌舞伎"に向いています!

家の宝物を無くし、家が断絶してしまった坊ちゃん(モテる)が繰り広げる、しっちゃかめっちゃかがとても楽しいです、トンチキです。

「え!?嘘だろ!?!?!?」という展開ばかりです。単純に物語が楽しいところがおすすめポイントです。

 

 

"歌舞伎"のおすすめポイント②

衣装が綺麗

 

ほら。ジャニオタってスパンコールとかキラキラしてる衣装好きじゃん?

歌舞伎の衣装はとにかく布が綺麗です!!!色がとにかく綺麗。

そして歌舞伎にも早着替えに似たものがあるんです。"ぶっかえり"といって、一瞬で舞台上で衣装がかわります。ぶっかえった衣装もまた綺麗。とにかく衣装が綺麗なので見ていただきたいおすすめポイントです。

 

 

 

"歌舞伎"のおすすめポイント③

お弟子さんの存在

 

幹部クラスの役者さんにはお弟子さんがいて、お弟子さんは、舞台では小道具を渡したり着替えを手伝ったりなど師匠のお手伝いやその他大勢の役(町の人など)をします。

え?それってジャニーズJr.に似てない??

"舞台にいるお弟子さんを双眼鏡で追う時の気持ち" is "デビュー組の後ろのJr.を必死で探す時のジャニオタの気持ち"

ぜひ推せるお弟子さんを見つけてみてください(^^)

 

 

 

"歌舞伎"のおすすめポイント④

チケットが取りやすい

 

どの公演でも取りやすいかと言われたら必ずしもそうでないときもありますが(人気の役者、演目だと取りづらい)、比較的チケットは取りやすいです。

歌舞伎座のチケットは"チケットweb松竹"で買うことができます。

お値段は一等席18000円から3階B席4000円、また幕間といって1つの演目だけのチケットもあり、安いものだと500円から歌舞伎を楽しむことができます。

決して安いとは言えませんが、席を選ばなければ、高すぎるわけでもありません。ジャニーズのような必死にならなくても買えます。実はとっても気軽に観ることができるんです。

 

 

"歌舞伎"のおすすめポイント⑤

とにかく役者がかっこいい

 

 

とにかくかっこいいんです。

おじいちゃんが好きな人から小さい子役ちゃんが好きな人まで。役者の年代は幅広いです。どんな人でも必ず推しメンを見つけることができるはず★

きっかけは顔でもいいと思います。歌舞伎界はいい男の宝庫だと、私は思っています。汗を流しながら踊ったり演じたりする役者さんは輝いています。

とにかく役者さんがかっこいい。ぜひ気になる役者さんを見つけて歌舞伎を観に行きましょう\(^o^)/

 

 

 

今回、歌舞伎のおすすめポイントを5つ紹介しましたが、この他にも役者同士のわちゃわちゃ(グループ内のわちゃわちゃ好きでしょ?)だったり、親戚関係(これはジャニーズにはないか)で沸いたり、先輩後輩の関係が見られる場面があったり、ジャニーズの世界と歌舞伎の世界は似ています。

ジャニーズにハマる人は、"歌舞伎"にハマる資質も持っていると思います。

 

 

私は"歌舞伎"を多くの人に観てほしいです。"歌舞伎"にハマってまだ半年と少ししか経っていない新規ですが、"歌舞伎"の世界は楽しいです。

ぜひ"歌舞伎"の世界へ!!

 

 

 

2019年 三月大歌舞伎 盛綱陣屋

三月大歌舞伎 歌舞伎座へ観劇しに行ってきました。

 

夜の部 盛綱陣屋

 

片岡仁左衛門さんを初めて観ることができました。顔が〜〜〜ハンサム〜〜〜イケメン!!!!!ッハァ……この人何歳?あ〜〜〜二次元なビジュアルでした。ただ顔が好き。老若男女どの年代から見てもかっこいい人なんじゃないかと思います。ただひたすらにかっこいい。そして舞台に姿を見せた瞬間ピリッとする劇場の空気が最高だった。ただイケメンだけじゃなくて(当たり前)劇場全体を包み込む包容力(当たり前)と、ギラギラしたカッコよさ(当たり前)が半端なく好き。

首実検の場面の表情の変化が堪らないですよね…。イヤホンガイドに見ろと言われたのでオペラグラスで見ました。

「また弟はやってくれたな(ニヤリ)」→「でもなぜ高綱の首ではないのに小四郎は…(うむ…?)(小四郎を見る)」→「……!!!(計略に気づく)」の一連の流れの表情がとてもよかったです。何度でも観たい。

 

この盛綱陣屋でとても印象的だったのは

中村勘太郎さん。観劇前までは、心のどこかで"子役"ということで「子どもが一生懸命やってるというだけで泣けてくるよね〜ハハハ」みたいな感じに舐め腐った気持ちでいたのですが、観劇後には勘太郎様様期待以上想像以上のものを観ることができて満々満足でした。

細かいことは言葉にできないけど、ただサイズが小さいだけの立派な役者さんで"子役"という感じが全くしない。立派な中村屋の役者さんだった。本当に良かった。「"子役"が親もいない舞台で頑張っているから」という理由じゃなくて勘太郎さんの芝居でドバッドバに泣いた。本当に素晴らしかった。この素晴らしい役者さんの今しか観られない"小四郎"というお役を生で、リアルタイムで観ることができてよかった。

中村屋さんの成長が楽しみです。人生の楽しみができました!(笑)

 

他にも脇をかためる中村錦之助さん。血気盛んな若者で、その勢いが最高。中村隼人さんに見えて仕方がなかった。錦之助さんのお姿を見て、隼人さんの未来が楽しみになりますね!中村雀右衛門さんも片岡孝太郎さんも素敵でした。またさらに好きな役者さんが増えました。

 

 

また猿之助さん、幸四郎さんの弁天小僧の感想も書きます!

 

 

新春浅草歌舞伎2019 公演2日目感想 番町皿屋敷

自分の記録用に。番町皿屋敷公演2日目の感想。

 

初日の時は初めて観る作品だったので、余裕がありませんでした。2回目、初日よりは余裕を持って、観劇することができました。

 

今日も播磨を中心に観劇したのですが、今日もまたすごかった。

第一場の「おばさまは 苦手じゃ」に播磨の今までが詰まっているような。この一言に播磨の色男ぶりを感じます。なぜかはわからないけど。劇場を包み込むような男前感が印象的でした。

 

第ニ場。わざと割ったと知る前はやっぱり優しい。お菊を愛してる播磨はとても優しい、そしてお菊を見つめる播磨の目が優しすぎて。色男だよモテるよこの人。

太夫からわざと割ったと知らされても、粗相をしたというお菊を信じる播磨。お菊を信じる播磨がとても切ない。お菊から真実を聞くまで、お菊を信じ続ける播磨がとても印象的だった。何も疑ってなかった播磨。本当にお菊のことを信じていたのだろうなあ。信じてたが故に、播磨の心を試すために家宝の皿を割ったとお菊の口から聞いた播磨の怒り、悲しみは深かった。

「私の疑いは晴れました」と言うお菊に対して「そちの疑いは晴れても〜〜」のくだりがとても気持ちがよかった。

 

播磨がお皿を割る場面。鬼気迫っていた。すごかった。割ったら手討ちの家宝の皿を割ってまでして、自分の心を試された播磨の悲しさ、怒り。この場面に詰め込まれている。昨日から更に進化してた。感情がすごい。

 

お菊を手討ちにしてからがまたみどころ。お菊の死骸を井戸に入れ、井戸の中を見る場面。怒り、悲しみ、切なさ、やるせなさ、全てを含んだ目だった。そして、井戸の中を見て、目をそらし、目を瞑って首を振る。その仕草が、無理やりお菊への想いを断ち切っているように見えて、とても切なかった。お菊への未練を断ち切って、終わりのない闇に突っ込んでいく播磨の姿が見えた。

 

 

2回目の番町皿屋敷は闇に突っ込むの上手な隼人さんを感じることができました!

本当はお菊を中心に観ていきたいとも思うのですが、どうしても播磨ばっかり追ってしまう!

 

播磨の包み込むような優しさ、自由さ、一度決めたことはやり通す頑固さ(?)という播磨の人柄が一貫されていて、播磨という人物がどんな人なのかとてもわかりやすい。だから芝居に説得力があるのだろうなと。そういうところが隼人さんの芝居の好きなところです。

 

また明日。更に進化した番町皿屋敷を観るのが楽しみです。