《新作歌舞伎NARUTO-ナルト-》溢れ出る感想、共感したい感想、残しておきたい感想!

新作歌舞伎NARUTO-ナルト-

千穐楽おめでとうございます。

 

この感動を忘れたくなくて。自分のために記録用として感想をブログに残すことにしました。

 

この公演期間中に原作全72巻を読んだので、かなり原作で補完されたところもありました。

 

 

☆巳之助さんナルト

声が……声が……!!!声が七色以上。序幕あたりのナルトは声が高めだったりドタバタしてたり表情がクルクルかわったりで、とても子どもっぽかったです。

しかし、2幕。原作では、舞台版の序幕と2幕の間のところ辺りで2年空くんです。この舞台版では2年という時間があるのかは詳しくなってないけど、巳之助さんナルトの声が太く青年のようになっていて、序幕のときにあったナルトのウスラトンカチ感が全て消えていて、「あぁ、2年経ったんだな。ナルトはたくさん修行したんだな。」と思うことができます。

舞台で触れられていないシーンもこんな風に感じさせてくれる役者さん。舞台上にいるのは"坂東巳之助"ではなく完全に"ナルト"そのものでした。

 

中村隼人さんサスケ

サスケくんは理解しにくいキャラクターでした。すぐ大蛇丸のところいってみたりマダラについてみたり。

特に、木の葉を抜ける時にサクラに言う「お前、ウザいよ」の意味が本当にわからなかったんです。原作では「お前、ウザいよ。」の後に「ありがとう。」とサスケくんのセリフがあるので、その「ありがとう。」というセリフがあった方がわかりやすいのではないかと思っていました。

でも、中村隼人さんのサスケくんをよく見ているととても仲間思いなのがわかります。

ナルトが大蛇丸軍団にやられそうになったときにはナルトをかばって殺されてしまいます。(生き返るけど)

病室に大蛇丸が来て、サクラが大蛇に連れて行かれてしまったときには、真っ先に「サクラー!!!!」と叫びながらサクラの元へ駆け寄っていきます。

 

木の葉の里を抜けようとするサスケくんをサクラが止めるシーンがあります。

止めるサクラに対して、冷たく「お前には関係ない。」とあしらうサスケくんですが、サクラに「サスケくんはまた自ら孤独になるの?」と言われ我に帰ります。そして、サクラの「私を連れて行って。」という言葉に驚いたような目。「まさかサクラがそんなこと言うなんて」というような目に見えました。

その後サクラに対し、「お前、ウザいよ。」と言いサクラを失神させるわけですが、その時のサクラの倒し方がものすごく優しいんです。サクラを見る目が優しいんです。

「自分の復讐にサクラは関係ない。サクラを連れて行く訳には行かない。」というサクラを思いやる気持ちから「お前、ウザいよ。」という言葉になったのでしょう。

不器用なサスケくんは自分の危険な復讐についていきたいというサクラに対して、こう言うしかなかったのだと思います。

サクラを失神させた後は、木の葉の里の方を見ると目を瞑り首をババッと振ります。木の葉の里への未練を振り払うかのように見えます。そして、未練を振り払ったかと思うと迷いなく、木の葉の里を背にして、大蛇丸のもとへ向かって行くサスケくん。その姿はとても切なく、また暖かく、サスケくんの弱さと強さを感じました。

 

サスケくんも実は復讐なんてしたくはなかったんじゃないかな。サスケくんの"うちは"への愛がサスケくんをそうさせてしまったのだと解釈しています。

原作の終盤では、「第七班を家族のように思っていた。」というサスケくんの言葉があります。愛ゆえに不器用なサスケくんはこんな言葉が出てしまうのですね。愛おしい☺️

 

初めて観たときは、「サスケくんはなんて冷たい人なんだ。」と思っていましたが、原作を読んだり隼人さんのサスケくんを観たりして、冷たい人ではないということがわかりました。

 

初めは、大蛇丸やマダラについたり木の葉を潰す!といってみたりするサスケくんを理解できませんでしたが、サスケくんが"うちは"への愛、"イタチ"への愛、"仲間"への愛という一本の軸をもとに行動をしているということを感じられて、サスケというキャラクターに納得しました。

 

☆嘉島さんカカシ

正直最初は気にもしてなかった(笑)

何故気にするようになったかというと原作のカカシ先生、めちゃくちゃかっこいいんです。

そして、カカシ先生の過去。原作第27巻に外伝として載っているのですが、カカシ先生の写輪眼の秘密や、カカシ先生の教えの軸を知ることができました。

この過去があるからこそのサスケくんとの病院での会話が沁みる。

 

サスケ「なんならお前の大切な人を殺してやろうか?」

カカシ「大切な人はもうとっくに死んでいる。」

 

ミナト先生やオビト、リン、また"白い牙"と呼ばれた父親。カカシ先生のセリフから壮絶な過去が見えて切なかったです。

 

またナルトを千鳥で殺そうとするサスケを止めるシーン。

サスケくんの"千鳥"はカカシ先生から教わって習得したものなんです。自分が教えた"千鳥"で仲間を死なせようとすることだけはどうしても避けたかったんだろうなあ。

 

「お前に備わった力は復讐のためではない。どのように使うのか、よく考えろ。」という言葉。

 

カカシ先生の過去を考えるととても重いセリフです。

 

"任務"か"仲間"の二択をせまられ"仲間"を選択し、中傷され死んでいったカカシの父"白い牙"。

父親の事件以来、「ルールや掟を破るヤツは"クズ"」と、たとえ仲間が傷付こうが"任務"を優先するべきだと思っていたカカシ。

"任務"を優先し、"仲間"を失った。

 

「忍びの世界でルールや掟を守れない奴は"クズ"だ。だが、仲間を大切にしない奴はもっと"クズ"だ。」

「俺の仲間は絶対殺させやしなーいよ。」

 

このセリフ、南座再演のときには欲しいですね!!!

 

嘉島さんのカカシ先生、さすが上忍!というオーラで隙もありません。

またナルトサスケサクラを見守る佇まい。原作から飛び出してきたかのようでした。

 

 

今回のブログでは主に巳之助さん、隼人さん、嘉島さんの御三方について感想を書かせていただきました。

他の役者の方もみなさんとても素晴らしく、原作に忠実でした。

また、和楽器バンドさんの音楽も素晴らしく、和楽器バンドさんの音楽を聴いて毎日舞台の余韻に浸っています。

 

来年6月には南座での公演です。

またナルトの仲間たちに会えるのを楽しみにしています☺️